病床、

なかおちさと

ベッドの上、うえ、よこたわり、目開き、目閉じて、適当と、不適当な角度で、天井を覗いて、いんえいのふしぎ、陰影の不思議を見つけた、よるのこと、

おんなは友と語らい、語らいの中のどこそこにも、ぼくはいなかった、適当と、不適当な角度で、天井を覗けば、陰影の不可思議がある。

影に灰色、微妙な灰色は、隣の灰色と少し違う、お気に入りに追加して、また覗くことなど叶わない、陰影の不可視、

病床、文庫本に連なる文章、飽いたら天井を眺めてた、

いまから、いままで、

いまから二〇年も前に、

よこたわり、ベッドのうえ、飽いた、

おんな、おんなの友は、雨、くもりの、一日を吸い込んでいま帰宅、

ベッドの上、空いていた、

微熱があるから起こさないで、眠れないから、ぼく、話して、離れすぎ、

ベッドのうえ、飽いた。

天井の陰影、その不可思議、適当と、不適当な角度から覗いてみる、

病床のくもり空、一日中、くもり、空。

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